System Bar:フルスクリーンモード(全画面モード)

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フルスクリーン(全画面モード)でコンテンツを提供することに適したアプリケーションがあります。

例えば、動画プレーヤー、ゲーム、電子書籍リーダ、画像エディター、スライドショーなどです。

アンドロイドはフルスクリーンを3つのモードに分類しています。

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フルスクリーンモード(全画面モード)

フルスクリーンは用途の違いにより、3つのモードに分類できます。

モード適したコンテンツ再表示する方法
(画面の操作)
アプリ例
鑑賞モード画面を頻繁に操作しないタップ動画プレーヤー
スライドショー
没入モード画面を頻繁に操作する上下端からスワイプゲーム
(キャラ移動を画面操作)
電子書籍リーダ
(ページ送りで画面操作)
アプリ優先型
没入モード
画面を頻繁に操作する上下端からスワイプ
・黒の半透明
・一定時間後に非表示
・アプリでも処理
画像エディター
(領域選択で画面操作)

フルスクリーンはSystem Barが非表示なので、携帯端末はそのアプリケーションのみを実行しているように振舞います。

しかし、通知のチェックやちょっとした検索など、ユーザの要求に応じた処理も行わなければなりません。

その時はフルスクリーンを終了し、システムにアクセスが可能な状態へ移行するため、System Barを再表示させます。

通常、System Barを再表示させる方法は画面の操作で行われ、モードに適したものが割り当てられます。

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鑑賞モード(Lead back mode)

画面を頻繁に操作しないコンテンツに適したモードです。

System Barを再表示する画面の操作は、簡素な「画面のタッチ」になります。

これは、System Barを再表示する画面の操作のみを考慮すればよいためです。

※System Barを非表示にする制御は次の記事を参照してください。

  System Bar:表示・非表示の制御(<Api30)
  System Bar:表示・非表示の制御(≧Api30)

    override fun onResume() {
        super.onResume()
        hideSysBarInLeadBack()
    }

    // --------------------------------------------------------------
    private fun hideSysBarInLeadBack() {    // System Barを非表示
        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.windowInsetsController?.apply {
                hide(WindowInsets.Type.systemBars())
                systemBarsBehavior = BEHAVIOR_SHOW_BARS_BY_TOUCH
            }
        } else {
            window.decorView.systemUiVisibility = (
                    SYSTEM_UI_FLAG_FULLSCREEN
                            or SYSTEM_UI_FLAG_HIDE_NAVIGATION
                    )
        }
    }

    private fun showSysBar() {              // System Barを表示
        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.windowInsetsController?.apply {
                show(WindowInsets.Type.systemBars())
            }
        } else {
            window.decorView.systemUiVisibility = 0
        }
    }
※「≧Api30」の場合、タッチで再表示されるのはNavigation Barのみになります。Status Barはスワイプで再表示します。

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没入モード(Immersive mode)

画面を頻繁に操作するコンテンツに適したモードです。

System Barを再表示する画面の操作は、複雑さを持たせた「画面の上下端からのスワイプ」になります。

これは、コンテンツの操作とSystem barを再表示する操作を区別(同じにならないように)する必要があるためです。

System Barを非表示にする制御は次の記事を参照してください。

  System Bar:表示・非表示の制御(<Api30)
  System Bar:表示・非表示の制御(≧Api30)

    override fun onResume() {
        super.onResume()
        hideSysBarInImmersive()
    }

    // --------------------------------------------------------------
    private fun hideSysBarInImmersive() {    // System Barを非表示
        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.windowInsetsController?.apply {
                hide(WindowInsets.Type.systemBars())
                systemBarsBehavior = BEHAVIOR_SHOW_BARS_BY_SWIPE
            }
        } else {
            window.decorView.systemUiVisibility = (
                    SYSTEM_UI_FLAG_IMMERSIVE
                            or SYSTEM_UI_FLAG_FULLSCREEN
                            or SYSTEM_UI_FLAG_HIDE_NAVIGATION
                    )
        }
    }

    private fun showSysBar() {              // System Barを表示
        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.windowInsetsController?.apply {
                show(WindowInsets.Type.systemBars())
            }
        } else {
            window.decorView.systemUiVisibility = 0
        }
    }
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アプリ優先型没入モード(Sticky immersive mode)

画面を頻繁に操作するコンテンツに適したモードです。

System Barを再表示する画面の操作は、複雑さを持たせた「画面の上下端からのスワイプ」になります。

ただし、コンテンツの操作とSystem barを再表示する操作を区別しません。両者に対する操作として受け付けます。

コンテンツの操作が優先して行われ、フルスクリーンが継続されます。フルスクリーンの表示を妨げないように、System Bar(黒の半透明)は一時的な再表示になります。

System Barを非表示にする制御は次の記事を参照してください。

  System Bar:表示・非表示の制御(<Api30)
  System Bar:表示・非表示の制御(≧Api30)

    override fun onResume() {
        super.onResume()
        hideSysBarInStickImmersive()
    }

    // --------------------------------------------------------------
    private fun hideSysBarInStickImmersive() {    // System Barを非表示
        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.windowInsetsController?.apply {
                hide(WindowInsets.Type.systemBars())
                systemBarsBehavior =
                    BEHAVIOR_SHOW_TRANSIENT_BARS_BY_SWIPE
            }
        } else {
            window.decorView.systemUiVisibility = (
                    SYSTEM_UI_FLAG_IMMERSIVE_STICKY
                        or View.SYSTEM_UI_FLAG_FULLSCREEN
                        or SYSTEM_UI_FLAG_HIDE_NAVIGATION
                    )
        }
    }

    private fun showSysBar() {              // System Barを表示
        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.windowInsetsController?.apply {
                show(WindowInsets.Type.systemBars())
            }
        } else {
            window.decorView.systemUiVisibility = 0
        }
    }
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バックグラウンドから復帰でフルスクリーン

フルスクリーンの状態からActivityがバックグラウンドへ遷移すると、System Barの非表示は解除されてしまいます。ダイアログが表示された場合などが、これに当てはまります。

よって、再びフォアグラウンドに復帰した時、フルスクリーンになりません。

バックグラウンド遷移でSystem Bar非表示の解除

これを回避し、フルスクリーンを維持したければ、フォアグラウンドへ復帰する時点でSystem Barの非表示を再指定します。

回避方法1:onResumeで非表示を指定

フォアグラウンドへ復帰する時は必ずonResume( )が呼ばれるので、ここで非表示の指定を実行します。

    override fun onResume() {
        super.onResume()
        hideSysBarInXXX()	// System Barを非表示
    }

回避方法2:onWindowFocusChangedで非表示を指定

フォアグラウンドのViewが切り替わる時は必ずフォーカスの移動(変更)が伴います。このフォーカスの移動をトリガにして、非表示の指定を実行します。

    override fun onWindowFocusChanged(hasFocus: Boolean) {
        super.onWindowFocusChanged(hasFocus)
        if(hasFocus) {
            hideSysBarInXXX()	// System Barを非表示
        }
    }
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System Barの表示・非表示のイベント処理

System Barが表示・非表示になった時のイベント処理をしたければ、リスナーを登録します。

「≧Api30」と「<Api30」で使えるリスナーが異なっているので注意してください。

        if (Build.VERSION.SDK_INT >= Build.VERSION_CODES.R) {
            window.decorView.setOnApplyWindowInsetsListener(
                object : OnApplyWindowInsetsListener {
                    override fun onApplyWindowInsets(v: View, insets: WindowInsets)
                            : WindowInsets {
                        val _flag = (WindowInsets.Type.statusBars() or 
						                  WindowInsets.Type.navigationBars())
                        if(insets.isVisible(_flag)) // systemBars()は使用不可
                            // System Barが表示の時
                        else
                            // System Barが非表示の時
                        return v.onApplyWindowInsets(insets) // 下位へ実行を伝搬させる
                    }
                })
        }
        else {
            window.decorView.setOnSystemUiVisibilityChangeListener { visibility ->
                val _flag = (SYSTEM_UI_FLAG_FULLSCREEN or 
				                       SYSTEM_UI_FLAG_HIDE_NAVIGATION)
                if(visibility and _flag == 0)
                    // System Barが表示の時
                else
                    // System Barが非表示の時
            }
        }

「≧Api30」のリスナー登録

OnApplyWindowInsetsListenerを使います。「≧Api30」で追加になったクラスです。

WindowInsets#isVisible( )メソッドを用いてSystem Barの表示・非表示がチェックできます。

注意1:onApplyWindowInsets( )を実行

OnApplyWindowInsetsListenerを登録すると、onApplyWindowInsets( )の実行が子Viewへ伝搬しなくなります。

これは、登録した側のonApplyWindowInsets( )の実行が優先され、Viewが持つonApplyWindowInsets( )が実行されなくなるためです。

なので、リスナー中でViewが持つonApplyWindowInsets( )実行して伝搬を施します。

注意2:systemBars( )は使用不可

WindowInsets#isVisible( )の引数へsystemBars( )を用いると、System Barの表示・非表示に関係なくfalseが返ります。

なので、statusBars( )またはnavigationBars( )を用いるようにします。

「<Api30」のリスナー登録

OnSystemUiVisibilityChangeListenerを用います。「≧Api30」で非推奨になったクラスです。

System Barの表示・非表示の状態をvisibilityが持っています。

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