Compose UI:Spacer

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Jetpack composeは、アプリ開発に必要な一通りのUIコンポーネントをライブラリで提供しています。

そのライブラリ中のSpacerについて、構成や使用方法などをまとめます。

※環境:Android Studio Hedgehog | 2023.1.1 Patch 2
    Kotlin 1.9.0
    Compose Compiler 1.5.1
    androidx.compose.foundation 1.5.0

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UIの概要

Spacerは空きスペースを確保するUI要素です。

@Preview_mdpi
@Composable
fun ColumnSpacerSample() {
    Column(modifier = Modifier.size(320.dp, 240.dp)) {
        Image(
            painter = painterResource(R.drawable.leaf1),
            contentDescription = null,
            modifier = Modifier.height(100.dp),
            contentScale = ContentScale.None
        )
        Spacer(modifier = Modifier.height(30.dp))
        Image(
            painter = painterResource(R.drawable.leaf2),
            contentDescription = null,
            modifier = Modifier.height(100.dp),
            contentScale = ContentScale.None
        )
    }
}

Spacerのサンプル

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関数の引数

Spacerの状態(装飾、演出など)は、引数により指定できます。

表示するコンテンツ(図形や文字など)を持たないので、与えるべき状態はmodifierのみです。

@Composable
@NonRestartableComposable
fun Spacer(modifier: Modifier) { ... }
引数概要
modifierModifierUI全般のCompose修飾子
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関数の構成

関数は内部にLayout関数(Composable関数)のみを持ちます。

Layoutは「自身のサイズを決定する機能」をシステムへ登録する関数です。この機能はSpacerMeasurePolicyで定義されており、描画処理のLayoutフェーズで実行されます。

※描画処理については「Jetpack Compose:Composeによるアプリ画面の描画」を参照

@Composable
@NonRestartableComposable
fun Spacer(modifier: Modifier) {
    Layout({}, measurePolicy = SpacerMeasurePolicy, modifier = modifier)
}

private object SpacerMeasurePolicy : MeasurePolicy {

    override fun MeasureScope.measure(
        measurables: List<Measurable>,
        constraints: Constraints
    ): MeasureResult {
        return with(constraints) { 
            val width = if (hasFixedWidth) maxWidth else 0	   // widthの算出
            val height = if (hasFixedHeight) maxHeight else 0  // heightの算出
            layout(width, height) {}                           // サイズを通知
        }
    }
}

Spacerのサイズ(widthまたはheight)は、制約Constraints(許されるサイズの範囲)が固定化された時(hasFixedXXX==true)に決まります。

固定化されなければ、サイズは0になり、空きスペースは確保されません。

固定化する条件は次のCompose修飾子を実行したときになります。

  • Modifier#size
  • Modifier#width / #height
  • Modifier#fillMaxWidth / #fillMaxHeight
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応用例1:Divider

backgroundの配色されたSpacerを、Divider(仕切り)として用いた例です。

縦のDivider横のDivider
@Preview_mdpi
@Composable
fun ColumnSpacerSample() {
    Column(modifier = Modifier.size(320.dp, 240.dp)) {
        Image(
            painter = painterResource(R.drawable.leaf1),
            ...
        )
        Spacer(
            modifier = Modifier
                .height(2.dp)
                .fillMaxWidth()
                .background(Color.LightGray)
        )
        Image(
            painter = painterResource(R.drawable.leaf2),
            ...
        )
    }
}

Spacerの応用例1(縦のDivider)

@Preview_mdpi
@Composable
fun RowSpacerSample() {
    Row(modifier = Modifier.size(320.dp, 240.dp)) {
        Image(
            painter = painterResource(R.drawable.leaf1),
            ...
        )
        Spacer(
            modifier = Modifier
                .fillMaxHeight()
                .width(2.dp)
                .background(Color.LightGray)
        )
        Image(
            painter = painterResource(R.drawable.leaf2),
            ...
        )
    }
}

Spacerの応用例1(横のDivider)

※既にマテリアルデザインの指標に準拠したDividerがライブラリで提供されています。詳細は「Compose UI:Divider」を参照。

応用例2:Canvas

Jetpack Composeのライブラリで提供されるCanvas(Composable関数)は、Spacerを応用したUI要素です。

CanvasはSpacerによって確保された空きスペースへ、Modifier#drawBehindを使って図形の描画を可能にしています。

@Composable
fun Canvas(modifier: Modifier, onDraw: DrawScope.() -> Unit) =
    Spacer(modifier.drawBehind(onDraw))

CanvasはSpacerと同様に、制約Constraintsが固定化(例は120×120)されている必要があります。

@Preview_mdpi
@Composable
fun CanvasSample() {
    Box(modifier = Modifier.size(320.dp, 240.dp)) {
        Canvas(
            modifier = Modifier
                .size(120.dp)	// 120x120へ固定化
                .background(Color.LightGray)
        ) {
            drawRect(			// 矩形:DrawScopeに定義された描画関数
                Color.Blue,
                topLeft = Offset(10.dp.toPx(), 10.dp.toPx()),
                size = Size(100.dp.toPx(), 100.dp.toPx())
            )
            drawCircle(			// 円:DrawScopeに定義された描画関数
                Color.Red,
                radius = 50.dp.toPx()
            )
        }
    }
}

Spacerの応用例2(Canvas)

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