Jetpack Compose:mutableStateOfはComposable関数ではない

投稿日:  更新日:

mutableStateOfはComposable関数ではありません。

ですので、Composable関数内にある必要はなく、どこでも記述できます。

Activityから表示の更新を発行する方法として使えそうです。

※環境:Android Studio Giraffe | 2022.3.1 Patch 1
    Kotlin 1.8.10
    Compose Compiler 1.4.3

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mutableStateOfの構造

mutableStateOfは実行されると、State(MutableState)オブジェクトを返します。

Stateはvalueプロパティを持ち、引数を初期値にしたUI要素の状態が保持されます。

fun <T> mutableStateOf(
    value: T,
    policy: SnapshotMutationPolicy<T> = structuralEqualityPolicy()
): MutableState<T> = createSnapshotMutableState(value, policy)

State/MutableStateクラスは@Stateアノテーションが付与されています。これは、安定した型として扱われることを意味します。つまり、再Composeのスキップ判定に使用されます。

@Stable
interface State<out T> {
    val value: T
}

@Stable
interface MutableState<T> : State<T> {
    override var value: T
    operator fun component1(): T
    operator fun component2(): (T) -> Unit
}

また、記述からわかるように、mutableStateOf関数はComposable関数ではありません。

従って、Composable関数内に記述する必要はありません。UIツリーの外に追い出すことが可能です。

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定期的な再Compose

mutableStateOf関数がComposable関数でないことを利用して、定期的な再Composeを行うサンプルを作成してみました。

mutableStateOfはUIツリー(Composable関数)の外に配置されています。

        var _compose = mutableStateOf(0)		// 監視対象(_compse)の変数

        setContent {
            MyApplicationTheme {
                Surface(
                    modifier = Modifier.fillMaxSize(),
                    color = MaterialTheme.colorScheme.background
                ) {
                    Text(text = "Compose count = %3d".format(_compose.value))
					//                                     ↑↑監視対象の参照↑↑
					// 定期的なComposeが行われる
					//
                }
            }
        }

        // 別スレッドでアプリの状態を更新
        lifecycleScope.launch(Dispatchers.Default) {
            repeat(100) { delay(5000); _compose.value++ }  // 5秒間隔
        }

監視対象の参照(_compose.value)が行われている関数(Surface)を再Composeします。周期は約5秒です。

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